【書評】走る奴なんて馬鹿だと思ってた

 こんばんは!

本日紹介する本は「走る奴なんて馬鹿だと思ってた」です。

本著はインドア系作家先生がランニングを始めるエッセイです。

  

 

目次

 

新しい趣味を考えている方へ

 本著は春から新しい趣味を始めたいと思ってる人へ特におすすめです!毎年の健康診断で運動不足を指摘されている皆様も、著者がランニングにハマっていく様子は楽しめるでしょう。本著を読んだら、それほど走ることに没頭できるなら自分もやってみようか、という気持ちが芽生えるかもしれません。

 また、すでにマラソンが趣味という方は、マラソンあるあるや大会出場経験を読むことが興味深い知見となるのではないでしょうか?

 マラソンに哲学的な意味を見出す小説やエッセイは多いですが、本著は肩肘張らずに読めるランニングエッセイとなっています。

 

内容・構成

 本著は、「Part.1 紆余曲折のスタート」、「Part.2 そして1年後・・・」の2章立てで構成されています。Part.1ではインドア系で運動らしい運動をまったくしてこなかったという著者が走り始める様子が、Part.2では著者がマラソン大会に挑戦していく様子が描かれています。

 また著者と猫ひろし氏との対談も掲載されています。外国にてオリンピアとなった猫ひろし氏の(失礼ながら)意外な一面も垣間見えました。

 

故障が多い・・・

 全編を通して、著者が頻繁に故障しています。マラソン疲労やダメージに加え、加齢や生活習慣に根差す故障に、著者は付き合っています。私自身、健康に配慮していないので、ずいぶん歳が離れているとはいえ、明日は我が身かと少々怖くなりました。

 頻発する故障に見舞われながらも、著者は5年以上もマラソンに打ち込んでいます。私は本著を読んで、故障を押して没頭できる何かがマラソンにはあると期待するようになりました。いつかマラソンを始めた後で本著を読み返して、マラソンあるあるで笑える日が楽しみです!

 

純粋に「走る」という行為

  マラソンに夢を見ていました。マラソンを始めれば、体重は落ち、免疫力は高まり、関節痛も消え去り・・・、そんな夢のようにポジティブな変化が起きるのだと間違った期待をしていました。本著を読み、そんなことはないと分かりました。著者が走り始めて体重は随分落ちた様子ですが、腰痛は解消されず、自己診断の自律神経失調症も快方に向かっていないとのことです。

 にも関わらず、5年以上も継続できる魅力がマラソンにはある、ということが本著からは読み取れます。著者のマラソンの楽しみ方や哀愁漂う自虐ネタも面白い、「走る奴なんて馬鹿だと思ってた」、とても面白く読めました!